呼び出し

 私がフジテレビの女子アナ全員について「あだ名に”パン”が付くかどうか」を基準にして善と悪とに分類する作業に没頭していたところ、新宿駅のどこからともなく笑点のテーマ曲が鳴り響きました。誰だよ…いまどき携帯の着信音に笑点を使っても許される人間は木久蔵か皇太子様だけだろ…と思いながら私は笑点のテーマ曲が鳴り響く携帯電話をポケットから取り出しました。「はい、木久蔵ラーメン」「もしもし○○さんですか?こちら”ハムスターの平均寿命を20年にする集い”の者ですが」。どんな秘密結社だよそれ、なんで俺がハムスターを同時に3匹以上飼っていたヘビーユーザーだってこと知ってんだよと思ったのですが、よく考えてみると私の内定先でした。とはいっても私は他のもっとオカルティックな、大槻教授にその存在自体を論破されたミステリー架空サークルに転職することを決めたために、つい先日そのハムスター系列の内定先に辞退届けを提出していたのです。

 ここから先はご想像の通り、めくるめく嫌味(ラップ口調で)の嵐。今にも受話器の穴から皮膚に触れただけで即死する神経ガスが送られてくるんじゃないかと疑心暗鬼になるほどリリカルに説教されまして、最後の捨て台詞が「直接会って話し合おうよ^^」。完全に出会い系のノリ。これは会ってしまったら運の尽き、風雲たけし城の橋を渡るアトラクションでマシーンから発射される物体がバレーボールじゃなくてあつあつの小籠包(しょうろんぽう)にすりかわってるバージョンをやらされる。そして親父のいびきがキントウンの飛行音に聞こえてしまう手術を施して私の自我を崩壊させる魂胆に決まっている。実はミュータントタートルズ鑑定士の内定も辞退したのですが、そちらは本当に丁寧な対応(電話で1分)だっただけに組織によってこうも違うのかと驚きを隠せません…。PS3値下げしやがった。