面接試験 その2

 ミュータントタートルズ鑑定士に引き続き、「ディズニーキャラクターパンツはかせ官」の面接を受けてきました。この仕事は、クマのプーさんやドナルドダックを筆頭に、まったくパンツをはこうとする意思のないストリーキングにパンツをはかせるプロジェクトXで、言うことを聞かない場合はわいせつ物陳列罪で起訴してアリゾナ刑務所にぶちこむ仕事です。そこでもれなくビスケット・オリバと気の済むまで殴り合って頂きます。

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 マークシート試験をひたすら自分のクレカ番号を順番に埋めていく作戦で突破し、いざ面接となったのですが、私が小学生の頃に三国志のパロディ小説をケロケロケロッピが表紙の日記帳にて長期連載してクラスで発表していた罪(民衆扇動罪)の初公判も面接と同時に行うということで、私は某裁判所に呼び出されました。裁判所の入り口でボディチェックを受け、凶器やドリアンの類を所持していないことの確認を受けたあと、受験生控え室に向かいました。受付の人から一枚の紙(ガムの包み)をもらい、そこに自分の犯罪暦を詳しく記入することなどの簡単な注意事項を、崖で絶叫する劇団四季のライオンキング風に言われ鼓膜が破れました。

 その紙にはいくつかの質問が列記されていたのですが、一番最初の質問が「チーズケーキと一口に言っても焼いたのとレアのとがあって、たまにそれが原因でケンカになんね?」。別に。控え室のすぐ隣は職場になっており、職員がキーボードをタイプするたびに「異議アリ!」という効果音がいちいち5.1chサラウンドで鳴り響きます。タイプスピードが速い職員になると「異!異議!異!異!異議ア!異議アリ異!異議アリリ!」みたいなことになっているのでなかなか集中できません。

 周りを見渡すと控え室には8名ほどの受験生がいましたが、私が来る前にここで沢尻エリカの舞台挨拶でもあったの?と思うほどの凍てつく波動に覆われており、会話は一切ありませんでした。…私以外のすべての人間が多元宇宙の迷宮にとらわれていたと考えることもできなくはないが…。私はこのヒャダルコ打ちっぱなしパーティを暖めようと、思い切って「将棋でも打たない?」と言ってみたのですが……どうやらそれも認識することで生まれる多元宇宙の一つの可能性に過ぎない……。面接編へ続く。