24-TWENTY FOUR-研究

 24とはコントである。それも毎回オチが同じの「お約束コント」である。ただ一つ決定的に異なる点は、熱湯風呂に入ったりアツアツのおでんを食べる役回りを上島竜平にやらせるのではなく、後ろでピコピコハンマー片手に笑って見ているビートたけしにやらせてしまうところだ。場合によっては隣のスタジオでドラマ撮影をしている常盤貴子の顔面にも平気でパイを投げつけるし、安倍総理の頭にタライを落とすことも朝飯前。つまり同じコントをひたすら人をかえてやっているだけなのだが、「あの人がこんなコントをやるわけがない」という思い込みを徹底的にぶち壊す人選をしてくる「予想外」のもたらす不安を伴う快感と、最後には必ずジャックバウアーがいつものオチでしめてくれるという「お約束」がもたらす安心感とをうまく織り交ぜている。さらに攻守の切り替わりが限りなく速くそして回数が多い。よく「物語が二転三転する」という表現があるが、24は場合によってわずか10分間で4回転ぐらいする。安藤美姫か。もう少しわかりやすく言うと、普通のドラマがごきげんようのサイコロだとすれば、24は富士山の頂上から転がしたアンパンマンの顔である。下につく頃には元々詰まっていたアン(案)が残っていない。
(決まった!)


※以下シーズン5のネタバレを含む感想なので注意してください。



シーズン5のネタバレです。


 シーズン5面白すぎだろ…常識的に考えて…。上にも書いたけど、はっきり言ってシーズン2以降は「シーズン1の焼き直し」でしかないんだけど、こうも面白く加工されてしまうとぐうの音も出ない。そしてシーズンを重ねるごとにX-MEN化していくジャックバウアー。今回もすごかった。肋骨を折られ、天然ガス工場の爆発に巻き込まれ、ペンチでもろに頭部を殴打されてもビクともしない不死鳥っぷり。セイントセイヤのフェニックスでもそこまで蘇らないから。常時リレイズかかってるのか…?ピストル一丁で戦闘ヘリを撃墜した時点で狙撃能力ではのび太を超えた。それにしても飛行機をハイジャックしたシーンは笑った。あれこそコント以外のなにものでもない。あと警備員になにげなく近づいて一瞬で気絶させて服を奪うシーンとかもいつも笑う。たぶんもう6,7回ぐらいやってると思うけど。制服や身分、さらにコンビニをジャックしたこともあるし、もしかしてそっちのジャックと名前のジャックをかけてるのだろうか。今シーズンはジャックをサポートするCTUスタッフの連携もなかなか良かった。なにしろクロエの解析能力が天下無双すぎる。結婚してた過去があるってのはかなり意外だった。エブリンってどうなったんだ。


 ネタバレコーナーだけど不用意に見てしまう人がいるかもしれないと思ってずばりは書かないけど、いっぺんに3人が死んだシーンは重かった。特に最後に「○○○…」って言いながら死ぬシーンは何十年かぶりにドラマで泣きそうになったわい。脚本家がまじで血のかよってない鬼としか考えれない。そこまでしてジャックバウアー以外は誰でも死ぬ可能性がありますよアピールはしなくていいんだよ!そこにきてあの終わり方。ラスト10分の段階で「ちょっとこの終わり方は平和すぎる」とは思ったけど…。ぜんぜんネタバレ書けないんだけどどうしてくれるの。

 ちなみに24のちょっとした雑記とかはhttp://shrike.g.hatena.ne.jp/zassou/に書いているのでジャックバウアーファンは全員集合してください。アーロンファンでもOKです。キムファンは通行止めです。なにげにアーロンはシーズン1から皆勤賞か。


 最後にシーズン6の予告動画を置いておきます(英語音声/日本語字幕なし)。僕は見ましたが正直いって「見ないほうがよかった」と思いました。だいたいの展開がわかっちゃいますし、おもいっきり次の大統領が誰であるかバラしてくれてます。ふざけろよ…。


http://video.google.com/videoplay?docid=5469243461987918067&q=24+Season+6
※シーズン6の予告映像(ネタバレ注意)