『ファンタシースターユニバース』(PSU)感想

ファンタシースターユニバース

ファンタシースターユニバース


 『ゲームセンターCX』で一日16時間とかファミコンやらされる有野さんがぼやいていたエピソード。「こないだサンマさんに言われたわー。おまえなんでそんなゲームばっかするん?時間もったいないやろー!って」。このゲームをプレーした後なら僕もサンマさんの意見に同意せざる得ない。詳しいことは長い上にドキュメンタリーすぎるので格納します。



■オフラインモード(ストーリーモード)

 各章の冒頭でムービーが流れるストーリー仕立てなのだが、解像度、モデリング、シナリオ、脚本、そのどれをとってもぐうの音も出ない稚拙な人形劇。うちの姪っ子(3才)でももっとマシなお話を考えてくれる。


■オンラインモード

 もう噂ぶりを耳にした人もいるかもしれませんが、おそらくこの規模のオンラインゲームとしてはぶっちぎりで酷い。まず8月31日にオープンするものの登録サーバーが混みすぎてアカウント取得すらままならない状況がしばらく続く。やっと登録できたと思ったら今度はログインサーバーが混みすぎてキャラクターすら作れない。なにしろ10万本だか15万本だか以上の出荷があったにも関わらず実際にオンラインに用意されたサーバーのキャパシティが2万だったのだから。夜のゴールデンタイムにログインするのは道場六三郎がさばいたフグの毒に当たるより困難を極める。すると今度はサーバーがあまりの負荷に耐えられなかったのか、なんと自分のキャラクターが他人のキャラクターと入れ替わってしまう致命的なバグ、通称「ボディチェンジ」が発生。ギニューの魔の手はここまで伸びていた。さらに開始二日目にしてゲーム内のお金を無限増殖できてしまうバグまでもが発生。


 そして9月3日全サーバー停止。そこから数十時間にもわたるメンテを終えた9月6日、誰もがこのバグの解決と修正を期待していた矢先にPSU運営チームはこれまた信じられない行為「全キャラクター消去」を敢行。全員レベル1からやり直しである。寝る間を惜しんでLV30とかにしてた人(たぶん50時間ぐらいやってる)もレベル1からである。といってもこの時点で僕はレベルもなにも一匹のキャラクターすら作成できていなかったのでどうでもよかったですが(^^v)。さらに同時に「これから安定するまでしばらくオープンベータ(試験運営)にします^O^」というクーデター発言が飛び出す。おいおいこちとらすでにソフト代6700円払ってるんだよバーロー…。まぁログインできればいいかと考えるもこれがまぁログインできない。サーバー侵入を試みるたびに「051エラー!」みたいな警報が鳴って阻止される。このエラー番号51は背番号51、つまり俺たちの侵入を阻んでいるのはイチローだったんだよ…!ということで、このイチローを打ち取ってログインするまでの聖戦が「イチローオンライン」と名づけられる。このイチローオンライン、せいぜい10分や20分でどうにかなると思う方がいるかもしれませんが、僕が知る限りでは平均2時間、最長で8時間ずっとボタンを連打していなければ突破できません。確実にゲームやってる時間より長い。しかも一日の半分ぐらいは緊急メンテ。ぜんぜん緊急じゃない。実際に僕もボタン連打しながら「24」を3話ぐらい見て、さすがにもうイチローも三振してるだろと思ってまだ入れてなかったときは笑った。このイチローオンラインのためだけに連射パッドを購入する聖戦士ダンバインまでもが登場する始末。


 そしてたとえログインできたとしても、全てのキャラクターの拠点となる「マイルーム」という言ってみれば自宅のようなものがあるんですが、これがまた絶望的に入れない。自宅なのに入れない。俺たちはホームレスか。ここに入れないとアイテムも預けられないし武器も作れないしで大変不便なのですが、侵入に失敗すると高い確率でサーバーから落とされます。それでも一か八かマイルームに突撃する行為、これが世にいう「マイルームオンライン」です。3時間かけてイチローオンラインを突破した2分後にマイルームオンラインで落とされ、またイチローオンラインからやり直しなどという理不尽極まりない状況も頻発する世紀末ぶり。しかもマイルームから落とされると不正防止のために10分間ほどログインがロックされる。これがまた仙豆の収穫方法より謎なのですが、10分どころか10時間近くロックされ続ける、通称「ロックマン」までもが出現します。さらにメンテ直後のログイン時にはエラー021、光速のランニングバック「アイシールド21」までもが参戦。ありとあらゆるトップアスリートたちが一堂に会して我々のログインを全力で阻みます。KANEKAESE。