『賭博破戒録カイジ』第13巻発売(最終巻)

 たったパチンコ1台の攻略を活写するのになんとコミック9巻も費やすという離れ業に打って出た稀代の俊英、福本伸行先生。「無駄に引っ張るマンガ」部門で僕の中で不朽の1位をキープし続けた『珍遊記』の名シーン「数週に渡ってババアがただ木の棒で人を殴り続けるだけ」を話にならないレベルで凌駕。同じく珍遊記の感動シーン「地面に埋まっているものが主人公山田太郎の頭の先っぽかと思ったら実は大根だった」を持ってきても同じスタートラインにすら立てない。これはもう今すぐにでも全国小中学校の図書館に全巻完備すべきだと私は考える。


 そういえば福本伸行本人がつい最近TVに出ていた。何かもっとこう、うさん臭さが目白押しのアル中、といったイメージがあったんですが(マンガ描いてる間も絶対にワンカップ大関は手放さない感じの)、実物は意外とダンディで我が目を疑った。ジャン・レノ寄りのテリー伊藤みたいな。それで福本御大将はそのときレポーターだったユンソナカイジ韓国語版全巻を贈呈してたんだけど、果たしてユンソナカイジを読むのだろうか。どう考えても読まない。それよりも気になるのは例の「ざわ・・ざわ・・」がハングルではどう表記されるのか、である。ごめんそこまで気になるわけでもなかった。